このサイトは、五島市出身で現在は福岡市に住むエンジニアが一人で作りました。進学や仕事で島を離れた人にとって、故郷の海を思う瞬間は今も変わらずあります。
「五島じかん」は、そんな離れて暮らす五島出身者のために作った、毎朝10秒で開けるホーム画面です。
島を出た経緯
五島には大学がなく、仕事の選択肢も多くありません。高校を卒業すると、同級生の大半が進学や就職で島を離れます。私もその一人で、いまは福岡で暮らしています。
出るときは「いつでも帰れる」と思っていましたが、船や飛行機を乗り継ぐ距離は思ったより遠く、帰省は年に1回程度になりました。島を出た人はみな、同じ距離を抱えているのだと思います。
毎朝潮を調べてしまう習慣
島では、潮の状況は天気と同じくらい大事な情報です。船が出るか、磯に降りられるか、今日は釣れそうか。大人たちは朝いちばんに空と海を見て、その日の予定を決めていました。
島を離れても、その習慣だけが残りました。朝、天気を見るついでに故郷の潮を調べてしまう。それなら最初から、毎朝10秒で今日の五島の海がわかる画面を作ろう。それがこのサイトの出発点です。
画面で起きていること
トップの絵は、開いたその時刻の海です。太陽と月は、その日の日の出・日の入りから位置を割り出して空を動き、潮位はその瞬間の値を計算して水面の高さに反映しています。潮が満ちれば島の根元は水に隠れ、引けば現れます。
下のスライダーを動かすと、今日一日の海を通して眺められます。「あす」に切り替えれば、明日の潮と予報も見られます。
水平線に浮かぶ影は、島ごとに変えました。福江島は断崖と灯台、久賀島は入り江と木造の教会、奈留島は湾と教会、若松島は島をつなぐ橋、中通島は奇岩と石造りの教会です。夜になると、灯台は光を回し、教会の窓と橋の照明には明かりが点きます。
作るときに決めたこと
潮や天気は、見て楽しむためのものにとどめ、航海や釣りの安全を判断できるようには見せない、と最初に決めました。数字のそばに判定や助言は置いていません。
他所の写真や文章は使っていません。島の影も魚も、すべて自分で描いた図形です。潮位は気象庁の潮位表をもとに、開いたその瞬間の値をサーバー側で計算しています。観測点は列島に福江の一か所しかないので、ほかの島では福江の値で代用し、そのことを画面にも書いています。
作るあいだは、AI(Claude Code)と話しながら進めました。どう見せるかを決めるのは私で、手を動かすのを手伝ってもらう、という分け方です。長く頭の中にあった景色を、AIの手助けと、すぐに公開できる環境のおかげで、一気に形にできました。